東京の片隅でローコスト注文住宅を建てようと悪戦苦闘中です。
土地の引き渡しと同時に住宅ローンもスタート。35年にわたるローン生活のはじまりですが、そのときに必ず通る道、それが抵当権設定登記。
そして登記と一緒によく出てくる登録免許税です。
住宅取得に関しての登録免許税は税率が軽減される措置があるのですが、注文住宅建築中のぼくにはなんと適用されずでした!
さて、なぜ登録免許税の軽減措置が適用されなかったのでしょうか?
注文住宅には登録免許税の軽減措置が適用されないの?
住宅ローンを組むなら抵当権設定は必須
金融機関で住宅ローンを組むには土地や建物に抵当権をつける 抵当権設定登記 が必要となります。
法律で義務付けられているわけではないので抵当権設定登記をすること自体は任意とされているようですが、抵当権を設定しないと銀行は融資してくれません。
また住宅ローンの契約書に抵当権を担保にすることが明記されていますので、現実的には土地と建物に抵当権をつける登記は必須になります。
抵当権設定には登録免許税が必要
抵当権設定登記などの不動産登記を行う時にかかってくる費用に登録免許税があります。
登録免許税は、所有権保存登記や移転登記など、不動産の権利に関するものほぼすべてに課税され、その課税率も細かく決まっています。
国税庁のHPにも記載がありますが、こちらのサイトが表に見やすくまとめてくれています。
住宅用建物は登録免許税の軽減措置を受けることができる
住宅取得に関する抵当権設定登記の場合、一定の要件を満たせば税金が安くなる登録免許税の軽減措置が設けられています。
新築もしくは中古の建物を取得して、その建物が
②建物取得後1年以内に登記されたものであること
③床面積(登記簿面積)が50㎡以上あること
が条件です。
これらの条件にあてはまる建物の抵当権設定登記の場合、登録免許税が安くなります。
注目したいのは、抵当権設定登記の税率が通常は債権金額の4/1000のところ、住宅用建物に限っては軽減税率が適用されて1/1000になっている点です。
なんと納める税金が1/4になります!
租税特別措置法第75条という法律で定められています。
軽減措置を受けると、納税額は1/4に!!
登録免許税の軽減が適用される場合、納税額が
債権金額に対して税率を掛けた金額が課税されますが、単純に1/4になります。
課税金額(=住宅ローン融資総額)が5000万の場合、通常なら20万円かかるところが軽減措置適用だと5万円になります。差額15万円。結構な金額です。
[adsense02]抵当権設定登記のタイミングで諸費用が変わる!?
で、今回のぼくの場合。
登記するときの最初の課税対象が「土地」なんです。
(ぼくだけじゃなくて、住宅ローンで土地から購入して注文住宅を建てる場合はみなさんそうかと思います)
これはつまり、
パターンです。
最初は土地だけの抵当権設定ですが、債権額は「土地建物の価値含めた金額=住宅ローン総額」です。
この場合、新築住宅として建物の軽減税率を受けることができるのか?
なんと軽減税率を受けることができません。
なぜか?
それは、抵当権設定が土地購入を目的としているものだからです。
こちらのyahoo知恵袋の回答がわかりやすかったです。
建物分の何千万かの(まあ、2000万程度のローコスト住宅ですが)債権額が土地として扱われたわけです。
何千万単位の借り入れになるので、ざっくり計算したところ7~8万ほどの差が出ました。意外と大きい。
しかも一度登記して納税した場合、そのあと新築を建てようがなにしようが、軽減税率を受けた場合との差額が還付されることはないようです。
管轄の法務局に電話して確認もしてみました。
やっぱり建物が完成し、追加で抵当権を設定したとしても、すでに支払っている登録免許税に関しての還付はないそうです。
登記が2回で、費用負担も2回
住宅用の建物を建てたとしても、建物を担保にした登記ではいと、軽減措置を受けることはできません。
それどころか、建物が完成した時に、土地購入時の登記に、追加で抵当権を設定することになると、登録免許税がさらに1500円さらにかかります。
軽減措置されていない分、普通に新築を買う時に払う税金よりも多く払っているのに、さらに余計に税金払うことになります。
登記を2回やることになると、登録免許税だけでなく、司法書士さんへの報酬支払いも2回発生します。
司法書士に対する報酬
司法書士さんに払う報酬は、各司法書士事務所によって地域差もあり異なりますが、3万円~5万円ほどだそうです。
抵当権追加設定登記の相場もおおむね抵当権設定登記と同じようです。
なので、抵当権に関する登記を2回すれば、かかる費用も2倍になってきます。
ぼくが気にしたのは、銀行が説明責任を果たしてないこと
抵当権を設定するタイミングや担保の取り方が変わるくらいなら問題は少ないと思うのですが、抵当権設定のやり方によってかかってくる費用が変わるとなると問題が大きくなりますよね。
軽減税率が適用されたとして、8万弱。
その差は大きいです。
ただ、建物ができていないから土地のみ先に抵当権設定するのは、しょうがないけど、納得できます。
みずほ銀行のシステム上、土地の融資実行の時に融資全額分の抵当権を設定しないといけないなら、それもしょうがないかもしれません。
が、それにしても、抵当権設定の説明とそれにまつわる費用計算の説明をしっかりすべきと思います。
土地の融資と建物の融資を分けて実行するのは銀行の都合なんだから、抵当権設定登記だって分けることも可能でしょう。そもそも、どうせ抵当権追加設定登記もするし。
建物分だけの住宅ローン金額を、家完成後に抵当権設定することができたら、軽減措置を受けることができるはずです。
どうせ税金だから銀行が儲かるわけでもないんだし、仕組み上、そうした方が都合いいなら、銀行の都合でこのような形にさせていただいてます。という説明が余計に必要だとも思います。
ぼくの場合、登記の仕組みや担保の件についてはくわしくは説明ありませんでしたが、こちらが知らないだろうと思っての仕打ちでしょうか。
説明されていたけれど、ぼくが理解できていなかったんですかね?
(ちなみに打ち合わせ内容は理解もしていますが、全部データで残っているのでわかりますけどね)
自分で知っておくって大切。人の失敗談も参考に。
以上の話は国で決まっているルールや銀行の住宅ローンのルールなだけなので、自分から金融機関の担当者に聞いてみれば済む話ではあります。
でも、もともと知らないことや気づいていないことは質問すらできません。
間取りの失敗談や家の設備の失敗談なんかはよく見ますが、住宅ローンを組むときの仕組みに気付かない失敗談とかも勉強しておかないと、腑に落ちないことで時間をとられますね。
ただ一か所こういうところがあると、ほかもそういった説明されていないけど、無駄に支払いしているところとかありそうで、それをいちいち顧客であり素人でもあるぼくらがチェックするっていうのも、そもそもどうなんですかね?
注文住宅は登録免許税の軽減措置が受けられない場合も。登記の仕方を確認すべし。