ペンシルハウス

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【ぺんしるはうす】

狭小地に建てられた、鉛筆のように細長く縦に伸びたような外観の家のこと。

ヒゲメガネ

狭い土地で住空間を確保するために階数を重ねる必要があり、そのため細長くなってしまうなど
「狭小地に無理やり建てた狭い家」といったネガティブなイメージをもたれることが多い。

ペンシルハウスのメリット

立地のよさ

ペンシルハウスのメリット。それは何と言っても、立地のよさです。
建物の高さよりも幅が短い間口の土地があるのは、主に都心。
職場への交通の便や、都市の中心部へのアクセスの良さ、繁華街への距離など
希望する地域に居を構えることができるのは大きなメリットです。

通勤に使う移動時間など、毎日の時間的負担を選ぶか、
広々とした住環境を選ぶか、家をつくるときに大切な「優先順位」の中でも
大きなポイントになるところでしょう。

通勤に何時間も費やして、その分、せっかく建てた家の広さを感じることができない
というのも本末転倒なのかもしれません…

一戸建てに住める

立地の良さを選択して都心に住むことにしたならば、マンションに住むという選択肢もありますが、
マンションにないペンシルハウスのメリットもあります。

マンションでは決められた間取りを選ぶかどうかしかできませんが、
注文住宅でペンシルハウスを建てれば、好きな間取りを考えることができます。

長い間住めば住むほど、建物の価値は減っていってしまいますが、
建物に比べて土地の価値は変わりにくいです。
狭小地とといえども、ペンシルハウスは土地が必要なので、その資産を入手することが可能です。

ライフステージが変わり暮らし方が変化した時に、思い通りに建て直すこともできます。
また、建て直すことを前提に構造を作っておくことも可能です。

ペンシルハウスのデメリット

室内での移動の負担が大きい

各階の面積は狭く、階数が多いのがペンシルハウスです。
なので、どの部屋に行くにも階段を通って移動することになるなど、
室内での移動の負担があります。

住宅を購入した若い頃ならば問題ない階段での移動も、
高齢になった際にその負担はさらに増えます。

建築費が割高に

狭小住宅は、全体の床面積に対するキッチンやバスルームなどコストのかかる
設備を要する部屋の割合が高くなります。
そのため坪単価の施工費は割高になる傾向にあります。

ペンシルハウスは縦に細長い形状のため、建物の表面積も大きく、
その分もコストがかかる要因になります。

都市部での狭小地の場合、工事運搬車両の駐車スペースの確保が必要だったり、
大型トラックでの搬入ができなかったりなどで搬入費用が割高になる可能性があります。

もっとも有名なペンシルハウス「塔の家」

1966年に建てられた「塔の家」は、地上5階地下1階の6階建。
延べ床面積は65㎡という、ペンシルハウスです。

「塔の家」の登場によって、ペンシルハウスという建物のスタイルが
広く認識されるようになりました。

「塔の家」は各階の面積は狭いながらも、吹き抜けなどを駆使して
狭さを感じないような工夫がされています。