固定資産税

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【こていしさんぜい】

市内にある土地・家屋・償却資産について、その年の1月1日現在所有している人が納めることになる税金。地方税。

固定資産税はどう決まるのか?

税額に関しては、「課税標準額に税率をかけた金額」ではあるのですが、
そのそもそもの課税標準額ってどう決まってるのでしょう?

どうやら、税務署の職員さんができた住宅までやって来て、いろいろと計測していくようです。

巻尺とか持って、測りに来るんですかね?
あんまり気持ち良いものではないかもしれませんが、
ちょっと見てみたい気もするので、家づくりのちょっとした楽しみでもあります。

家の設備も課税対象

固定資産と言うだけあって、資産っぽいものは課税対象です。

注文住宅の場合、こだわりの設備なんかは資産とみなされて課税の対象になるそうです。

床暖房・たくさんの照明・こだわりの床材・太陽光発電…etc.

お金がかかっていそうなものは課税の対象になることがあります。

ウォシュレットに代表されるトイレ洗浄機は、昔は固定資産だったようですが、
現在では変更されて課税対象ではないようです。

家屋の評価は再建築価格方式

再建築価格方式とは(なんとなく字面から分かる感じしますが)、同じ家を「再建築」した場合、
いくらくらいかかりそうか(=再建築費)によって課税額を決める方法です。

具体的には、屋根・基礎・外壁・柱・内壁・天井・造作・床・建具・トイレ・お風呂・設備の品質や大きさ、
床面積を調査して、もう1回建てたらいくらかかるかを計算します。

建ててから年数が経つほど、外壁や屋根も経年劣化して価値が下がるので、
家屋に対する固定資産税も安くなっていきます。

再建築費は総務省が決めている

家を建てる場合に固定資産税を安くなる方法があります。

それは課税対象になっていない建材を使うこと。

再建築費は総務省が決める基準によって、各税務署が計算します。
その基準は建材ごとに課税対象か、非課税かが決まっていたり、
どれくらいの課税にするかが決まっています。

というわけで、あまり課税されない建材で家を作れば、固定資産税が安くなるということになります。

リンク先みたいな感じで文書化されているようですが、これを読み解くのは至難ぽいです。

再建築費に関しては3年に1度見直しを行っていて、最新の評価は2018年に行われたものになります。

家屋の固定資産税は一度決まったら変わらない

3年に1度基準値自体は変更されますが、
それぞれの家屋につけられた評価は、最初に調査された時のものがずーっと続きます。

家屋の再評価は行われないのだそうです。
(たしかに3年に1度全国の家屋の再評価をしていたら、大変そう)

経年劣化によって徐々に評価は下がりますが、
最初に決まった評価額での課税が、建物がなくなるまで延々と続く。

それが家屋にかかる固定資産税というものなのです。。。

ですので、家屋の固定資産税を安くしようとしたら、
設計の段階から計画しておかないと、あとからでは無理、なんですね。

ちなみにリフォームなどは、小さいリフォームなどの場合は再調査しないようです。
(現実的に難しいのでしょうね)

建築費用と課税額は関係ない

固定資産税は、再建築価格方式なので、実は実際の建築費用がいくらかかったかは関係ありません。

とても高級なヒノキをもらえたので建築費が安上がりした、と言う場合でも、
その高級なヒノキの外壁は固定資産税の課税対象になり、税額は上がってしまう。ということになります。

課税ミスを調べる方法

固定資産の評価基準を自力で調べるのは難しいので、他の方法を。

届け出ている書類を比べる

自治体でもらえる「再建築費評点計算書」「部分別評点調査表」という書類と、
登記簿を比較して確認します。

課税対象になっている面積と、登記上の面積が等しいか知ることができます。

周辺家屋と比較する

周辺の家屋とあまりにも納税額が違う場合は、建物評価にミスがある場合があります。

毎年4月1日~4月20日に行われる総覧帳簿(そうらんちょうぼ)の閲覧制度を利用すると、
なんと、周辺建物の固定資産税を調べることができます。

建物の㎡単価をはじいて比較するとよいようです。
あまりにも単価が違うようだと課税ミスかもしれません。

登記されていなくても課税対象

税務署の職員がやって来てチェックするので、登記などの書面上では判断できないようなものも課税されることがあるようです。

現況で判断されて建物と見なされれば、課税の対象です。

ここで言う建物とは、次の3点が備わっているものになります。

外気分断性

屋根があり、さらに3辺以上が壁などで覆われている状態

土地定着性

基礎工事などが行われていて、土地に固定されていること

用途性

居住、作業、貯蔵などに利用できる状態であること

ということで、車庫であっても、屋根と柱だけのものは課税対象外。
シャッターがついて、3方向が壁になっていたら課税対象。
と言う感じで判断されるようです。

だいたい年間15万前後

一般的な住宅であれば、月1〜2万円になることが多いようです。

そうすると年間で15万円前後。結構な金額ですね。

そもそも固定資産税ってなんのためなのか?

こんななんだかんだいろいろ大変な固定資産税は、地方税です。

市町村が住民に対して行う行政サービスの対価とされています。

市町村勢の約42%を占めているという、主要な財源になっているので、
固定資産税をちゃんと納めることで、よい住環境になっていると、考えるのが良さそうです。