都内で注文住宅を建築中です。
2年ぐらい続けてきて家いえづくりでは、不思議なことがたくさんありました。
登録免許税の軽減に使う住民票もそのひとつ。
現住所の住民票でいいのか、新しい住所の住民票が必要なのかについてまとめてみました。
住民票って現住所のものだと、ダメなの?
住宅用家屋証明書で使う住民票の矛盾
不動産登記は住宅用の家屋にだと税金が安くなるという、登録免許税の軽減措置があります。
その登録免許税を軽減するには、役所が発行してくれる住宅用家屋証明書が必要になります。
住宅用家屋証明書を発行するには、新住所での住民票が必要になります。
しかし、住民票は引っ越しをした後でないと異動させてはいけないと、住民基本台帳法で決められています。
まとめるとつまり、引っ越さないともらえないものを、引っ越し前にもらっとかないと、税金安くしないよ、と言われていることになります。
家づくりにありがちな、卵が先か鶏が先か、がまた出て来ました。
用意されている解決策は2つ
この矛盾に対する解決法は2つあります。
1つは、住民基本台帳法を無視して、引越し前に住民票を新しい住所に異動させる方法と、
もう1つは、現住所の住民票と合わせて、申立書など別の書類を準備し、住宅用家屋証明書を申請する方法です。
[adsense02]引越し前に住民票を異動させる
引越し前に住民票を異動させることは正式には決められてませんが、家づくりの慣例としてとして認められているのが実態です。
引越し前に住民票を移動させておいた方が、登記の手間や登録免許税の納税額が安くなるなど、メリットが多いので認められているのでしょう。
ただし、厳密には認められていないことになるので、住民票を移動させるときに「まだ引っ越し前なのですが住民票を移動させたいんですけど」と正直に伝えてしまうと、受付窓口で受理されない可能性があります。
住民票を異動させる手続きについては、通常の手続きと同じです。
現住所の住民票のまま住宅用家屋証明書を発行することもできる
実は、新しい住所に住民票を異動させていなくても、登録免許税の軽減に必要な住宅用家屋証明書を発行してもらうことはできます。
(法律を守ることができる以外、あまりメリットのなさそうな手段ではあります)
この場合、住民票以外に、申立書と言われる書類や、現在の住民票、現在家屋の処分の方法など、住民票を異動する理由となる別の書類が必要になってきます。
※詳しくは各自治体のHPに記載があると思います。
この方法を使った場合、登記されている所有者(つまり家を建てたぼくら)の住所と、住民票に登録している住所が変わっていくということになります。
(住民票を異動しても、登記に記載されている住所の変更は自動的には行われないんですね。紐づければいいのに)
住所をそろえる場合、住所変更登記=名義人表示変更登記と呼ばれるものを行う必要があります。
住所変更登記は義務付けられてはいませんが、不動産の売買の時に、登記されている住所と住民票の住所が揃っている必要があるようです。
住所変更登記にも登録免許税がかかってきて、1件につき2000円の納税が必要になります。
司法書士にお願いした場合は、司法書士報酬の支払いもかかってきます。(相場は1万円から2万円くらいだそうです。)
ただし、住所変更登記は、不動産登記の中では簡単な方なので、自分でやってしまうという選択肢もあります。
その場合、かかる費用は登録免許税だけになりますね。
住宅家屋証明書が必要になるのは、住宅ローンを組むとき
登録免許税の軽減に必要な住宅用家屋証明書は、住宅ローンを組んで抵当権を設定する際に必要になります。
建売住宅を購入した場合は抵当権の設定登記が1度で済むため住宅ローンを組む前に住民票を移動させたほうが楽そうです。
しかし、注文住宅の場合抵当権を設定して土地を購入した後入居するまで1年以上かかってくる場合もあると思います。ぼくの場合も、住宅ローンを組んでから1年以上経っています。
建物も何も立っていないところに住民票だけ異動させたりしませんね、普通。
申立書を使って住民票を異動させる場合も、1年以上時間がかかるとすると、さすがに役所の人も懸念を示しそうです。
(通常は引越しまで2週間程度の期間を想定しているそうです)
だから注文住宅の場合、だいたい現住所のまま登記してしまって、家の引き渡しの時に新住所に変更する名義人表示変更登記もしているのではないでしょうか?
新築物件のための登録免許税の軽減措置であるから、新しい住所での住民票が必要なこともわかるけども、制度として矛盾ばかり感じます。
ちなみに、どうせだから現住所の住民票のまま登記しておいて、住所変更登記を後回しにして自分でやろうかなーと思いましたが、司法書士からは案の定「新しい住所の住民票を準備してください」と言われました。