東京で注文住宅を建てました。外構まで予算が回らなかったのでDIYをすることに。
いろいろ考えた結果、ウッドデッキで玄関アプローチを作ることにしました。
長い時間がかかりましたが、ようやく出来上がったので、その覚書。
はじまりは、外構予算不足
注文住宅を考えた当初は、住宅と合わせて外構も建築士さんにお願いしていました。上がってきた図面にもウッドデッキが設置された外構プランを作ってくれるなど、そのつもりでした。
しかし、いざ図面が決まって見積もりを出してもらうと、予算オーバー。
予算のやりとりをするのはいやだったから、最初に準備できるMAXを建築士さんにはお伝えしていたのですが、計算してくれてなかったみたいですね。
言えば出せるだろうと思っていたのかもしれません。
(それが嫌だったから、最初にはっきり金額を伝えたのですけど、うまく理解してくれていなかったようですね)
結局、外構に回す予算を削るハメに。
家の引き渡しまでに外構に手を入れてもらうことはできなくなりましたが、とはいえ、なにもしないと剥き出しの土のまま。
土のまま放っておくと、家の外壁がとにかく汚れます。
雨が降るたびに、基礎部分のコンクリに泥汚れが付いていくのを見るのも、憂鬱なものです。
そこで自分でデザイン・設計して、DIYで外構を仕上げることにしました。
構想を練る
まずはどんな外構にしようか考えました。デザイン的に家全体の印象にマッチしてることはもちろんですが、素人がDIYで完成までさせることを考えて、できるだけカロリーのかからない、シンプルさも必要です。当然のことながら、お金がかかるようなこともできません。できるならば、なるべくメンテナンスの必要ないものでもあって欲しい…
そんな制約もありながらでしたが、空想するのは楽しい作業でした。
建築士の人の楽しさの一端を垣間見た気分です。
資料を検索する
どんな外構にするべきか?資料はほとんどインターネットで検索をしました。
中でも参考になったのはpinterest。おしゃれなデザインの画像がたくさんあり、参考になりました。
敷地を測量する
資料探しと並行して行ったのは、敷地の測量です。
玄関アプローチに使うスペースがどのくらいの広さか?長さはどれくらいか?細かく測りました。
建築士さんが引いてくれた図面を参考にしてもいいのですが、微妙に正確ではありませんでした。
住居の建物と、隣家との境にあるブロック塀が、図面上では並行になっているのに、実際は少しハの字型になっていたり、上水道や下水道の取水口の位置がずれていたり。
実際の土地を測ってみることが重要でした。
ウッドデッキで作ることに決定
枕木で作るアプローチや敷石、タイル…などなど、候補はいろいろでしたが、どれも自分でやるにはハードルが高いか、お金がかかるか、のどちらか。
木の持つ質感とメンテナンスフリーということで、コンクリート枕木がよいなあとも思いましたが、如何せん値段が張ってしまう…
最終的に決めた玄関アプローチのデザインは、敷地の広さとDIYのしやすさ、費用などを考慮して、道路から玄関前まで続くウッドデッキのアプローチと砂利というシンプルなものです。
よく見かけるウッドデッキなら、屋外使用にも適しているだろうし、材料も流用できるだろうし、作り方もありそうだからできるのではないだろうか?
ということで、ウッドデッキ材を使って玄関アプローチを作ることに決めました。
図面を作る
測量した数値を元に、自分なりの図面を起こしていきます。
自分がわかれば十分なので、adobe illustratorを使って図面を作成。
必要な木材の長さや量を割り出します。
作ろうとした玄関アプローチは、ウッドデッキの床だけで作るシンプルなものです。床板を必要な面積並べればOKです。
注意点は、板と板の隙間を空けなければいけないところ。
隙間なく板を並べてしまうと、雨が降った時に水が床面に溜まり、木が腐る原因になります。
5mm程度の隙間を計算に入れて図面を作りました。
電気メーターや水道の止水栓の設置場所も測り、ちゃんと避けるように計算しました。
イタウバを床材にする
床板に使う木材には、イタウバをチョイス。
ハードウッドで言うとウリンが有名です。しかし今回は長さ調整のため自分でカットできる木材である必要がありました。さらに電動ノコギリなんてものは持ってません。使うのもちょっと怖いし…
ということで、手でもなんとか切断できそうなハードウッド、ということでイタウバを床材にすることに決めました。
購入したのは、ハードウッドの販売、特にイタウバの販売で定評のある「ウッドデッキ専門店 リーベ」さん。
土を掘り起こす
道路から玄関までの間にウッドデッキ風にアプローチを作ります。外構部分を放ったらかしのまま引き渡されていますので、道路や玄関の高さと同じ高さまで土が盛られている状態でした。
ウッドデッキの高さ分だけ土を掘って、高さを調整しないといけませんでした。
ここはただただ、ひたすら掘る作業。
土の表面を7~8cm程度掘っただけですが、どんだけ石が出てくるんだというくらい、小石だけでなく、大きな砕石、レンガのかけら、よくわからない鉱物など出てきました。
家を建てる整地を行なった際に、噂に聞く残土処理に使われた感じかもしれません。
とりあえず掘り起こした土は土嚢袋に入れて保管しました。
転圧する
土を掘り起こした後はふわふわになっているので、しっかり締め固めないといけません。これを転圧すると言います。
転圧は、足でどしどし踏みならしてもいいですが、専用の器具を使って転圧した方がしっかりと土を締めることができます。
作りが簡単なので、それっぽいのを自作することもできますね。転圧もなかなかしんどい作業です。綺麗に平らにするのは至難の業。
本格的に行うなら、プレートやランマーと呼ばれる電動式の機器のレンタルを利用する手もあります。
外構DIY。庭を整地してみた!その手順とやり方。防草シートを貼る
土を平らにした後は、雑草が生えてこないように防草シートを一面に貼りました。
貼ったのは「ザバーン240BB」という防草シート。
決めてはなんといっても、砂利の下に敷けば半永久的に雑草抑制効果があるというところ。メンテナンスフリーで助かりますし、砂利の下から雑草が生えてきてしまったら、それこそ手間です。
シートを捲ると、その気配すらないので、しっかり機能してくれているようです。
厚みがあってシートを敷くのは大変ですが、一生モンと思ってがんばりましょう。
根太を金属に決める。購入する。
ウッドデッキ風に玄関アプローチを作ろうと思って、いろいろ調べてみたものの、ドンピシャの作り方を紹介しているサイトなどを見つけることができませんでした。ただ木を敷くだけなんですけどね。そのまんま真似すればいいようなものがなく。
通常のウッドデッキは、基礎石に束柱を立て、その上に根太を渡して、床板を貼るようです。
今回作る玄関アプローチは、通常のウッドデッキの基礎石と柱がない感じでいけるんじゃないかと思い、作りました。床板と根太部分が地面に置いてあるイメージです。
木材をアプローチに使う方法で、良い方法が、他に見つかりませんでした。
土に直接埋め込むことも考えましたが、ハードウッドとは言え、腐敗やシロアリが気になります。
土が剥き出しになるのも気になりました。
防草シートを敷いて、その上に砂利、その上に床板+根太という3層構造です。
根太は屋外での使用と一番地面に近い部分になるので、木材ではない金属製の根太を見つけて、使うことにしました。
見つけたのはZAMという素材でできている、鋼製の根太です。
これなら、木材と違って腐敗の心配もないですし、ステンレス同様錆びないという特徴もあり、もってこいです。
なるべく高さの低いものを探し、床板と固定しました。
本来の使い方とは違うので、この辺りは自己責任ですかね。
金属を手で切る 穴を穿つ
根太と床板をステンレスビスで止めました。ZAM根太は、もともと木材の床板を留めるようにはできていないので、穴を開けて、ビスで固定することにしました。
【玄関アプローチDIY】ZAM根太に床板を貼る心配だったのは、ZAM根太とイタウバを固定するために、必要な長さへの切断と、ビスを通す穴開けを行わなければならなかったところ。
切断はディスクグラインダーを使って、切断すると言う方法もあるかもしれませんが、電動工具がなかったので、手動で切断しました。
そもそも、金属を電動ではなく、手動で切ることができるのか?という疑問がありましたが、結論から言うと、意外に切れるもんですね。
youtubeを調べまくって、バイメタル素材の鋸刃を、しっかりグリップできる金鋸に装着させるのが一番よさそうな感じだったので、実践。切ることができました。
【玄関アプローチDIY】ZAM鋼を糸鋸でカットするさらに、ビスを通す穴を開けました。これはさすがに手じゃ無理なので、電動ドリルで穿ちます。
【玄関アプローチDIY】ZAM鋼に、月光ドリルで穴を開ける。ドリルの強度が大事ということで、見つけたのが月光ドリル。金属の穴開けで定評があるようです。
実際、今回200ヶ所近く穴を開けましたが、耐えてくれましたね。切れ味も変わりませんでした。
ドリル選びについては、以下の動画を参考にさせてもらいました。
ハードウッドを購入。オスモを塗る。そして、切る。
ウッドデッキ部分はイタウバを採用。ハードウッドのネット販売ではおそらく有名なリーベさんで購入しました。
【玄関アプローチDIY】木材を決める届いたイタウバには、保護塗料のオスモカラーを塗装。ほんとはクリアカラーにしたかったところですが、問い合わせたところウッドデッキにはクリアはおすすめしないとのこと。紫外線保護材が入っているウッドステインプロテクターを塗ります。
床板が全部一定の長さで済めばよかったんですが、そう言うわけにはいかず。敷地のサイズや家の形に合わせてイタウバを切断しないといけませんでした。
ま、金属を切断しているので、木くらい切れるだろうという気持ちはありました。なので、イタウバも手で切断することに。ハードウッドと言っても、柔らかい部類に入りますしね。
木材用の鋸を準備するのが面倒だったので、切断に使うノコギリもZAM鋼を切ったものを同じものを使用。
【玄関アプローチDIY】イタウバをノコギリで切るイタウバ床板とZAM鋼根太をビス止め
必要な長さにカットしたイタウバを床板に、ZAM鋼を根太にして、ふたつをビス止めします。シンプルに電動ドリルで締め続けるのみです。
屋外に設置するものなんで、サビ防止のため、使用するビスはステンレス製を採用。
【玄関アプローチDIY】ZAM根太に床板を貼る今回のウッドデッキの、最大のこだわりポイントが、板裏からのビス止めです。床板の表面にビスを止めた穴が見えないようにするのが目的です。
なんで裏側からビスで止めるのか?
デザイン的にスッキリして、見栄えが良くなるなあというのが1点。
もうひとつは、ビス穴が表にこないため、雨が降った時などに水が溜まることがありません。そのため、木の内部にも水が染み込みにくいということで、ウッドデッキの劣化防止につながるというメリットがあります。
サビ止め塗料を塗る
メンテナンスフリーを目指しているので、ZAM鋼とステンレスビスを使用しています。が、ZAM鋼は切断もしちゃってるので、切断面や穴あけ面にはサビ止め塗料を塗っておきます。
ステンレスビスもまとめてサビ止めです。
これでウッドデッキ部分はすべて完成です。
6号砕石を敷く
ウッドデッキを置く場所は、土を整地してなるべく平らにしてあります。その上には緩衝材として6号砕石敷きました。
土の上にそのままおくと、素人作業の整地ではどうしても水平になりません。そこで、ウッドデッキ下に砕石を敷いて、水平が取れるようにしました。線路の要領と同じですね。
6号砕石は、色が明るめの綺麗なグレーで、大きさも小さめ。値段も高くないので仕上げの材としてもよく見かけます。が、近所のホームセンターのどこにも売ってない。
そこでネットで探した建材屋さんから1tほど購入しました。
ネット購入も可能ですが、値段が高いので、おすすめしません。
ウッドデッキを並べる
組み上げたウッドデッキと、砕石の上に並べていきます。
ここでひとつ大失敗。
いくつかのブロックに分けて、床板と根太にビスで固定したのですが、1ブロックに15枚ほど床板を貼って作りました。これが大失敗。イタウバはハードウッドなので、その重量も結構な重さ。ウッドデッキを敷く場所まで持っていくのもひと苦労。設計する時に、重量まで頭が回りませんでしたね…
とはいえ、なんとか全部の床板を敷き終えることができました。
置いただけではやっぱり水平にはならないので、敷いてある砕石を足したり引いたり。床板の端を踏んでも板が持ち上がったり揺れたりしないように、ちょっとずつ調整です。
ついに完成。
家の引き渡しから3年。やっと前面道路から玄関までのアプローチの完成です。
結構頑張って計測して、設計しましたが、実際並べてみるとうまくいかないところもありました。が、まあ、素人DIYにしては十分な出来栄え。
ウッドデッキ自体の重量もあり、人が歩くくらいでは揺れもしない頑丈な作りになりました。
イタウバも腐食に強いようですし、シロアリにも強い。根太もビスも錆びないZAM鋼にステンレスですし、板の下は砂利に防草シート。床板の塗り替えは必要ですが、それ以外はほぼもう何もしなくてよい状態に仕上がったはず。
玄関アプローチはこれにて完成。大変でしたが貴重な経験のDIYとなりました。